サーキュラーエコノミーに取り組むにあたり、必ず知っておくべきポイントを説明します。
まず、サーキュラーエコノミー・ジャパンでは、サーキュラーエコノミーを以下のように定義しました。
「再生可能エネルギーに依存し、有害な化学物質の使用を最小化・追跡管理した上で、製品・部品・材料・資源の価値が可能な限り長期に渡って維持され、資源の使用と廃棄物の発生が最小限に抑えられる経済システム」
別の視点での定義がこちらです。
「経済成長と人間の幸せ(ウェルビーイング)の向上を実現しながら、資源使用及び自然環境影響を切り離す(デカップリング)経済システム」
まず、大前提として、サーキュラーエコノミーは3つの原則に基づきます。
*エレンマッカーサー 財団
https://www.ellenmacarthurfoundation.org/circular-economy/what-is-the-circular-economy
そして、以下がサーキュラーエコノミーのシステム図(エレンマッカーサー財団の図より日本語に加工)です。左右の循環が蝶の羽のように見えるので、バタフライダイアグラムと呼んでおり、全ての資源・物質が2つのサイクルのどちらかの循環を辿ると考えます。
左側が生物的(植物・動物等の再生可能資源)サイクルで、右側が技術的(石油・金属・鉱物等の枯渇資源)サイクルです。生物的サイクルでは、資源は消費され再生され最後は堆肥や嫌気性消化によりビオガスとして生物圏に戻り新しい生物(原材料)の栄養となります。技術的サイクルでは、資源は再使用・再製造・リサイクルによって経済活動の中で可能な限り使い続けられます。
サーキュラーエコノミー・システム図の原点となるのがCRADLE TO CRADLE(C2C)の概念です。
ドイツの化学者マイケル・ブランガート氏とアメリカの建築家ウイリアム・マクダナー氏が提唱したモノづくりとビジネスプロセスのビジョンで、認証システムでもあります。
C2Cは、製品・材料に関する以下の5つの基準に基づきます。
*それぞれの基準の達成度合いにより、認証ランク設定されます。
サーキュラーエコノミーの本質を理解するために、C2Cの概念を知ることはとても重要です。
詳細は以下の認証機関「PRODUCTS INNOVATION INSTITUTE」のWEBサイト(英語)を確認してください。
https://www.c2ccertified.org
*CEJでは、C2C認証取得を支援できる仕組みを用意したいと考えています。
最後に、サーキュラーエコノミーは、長期的に企業の競争力を高め、企業価値向上と利益向上を実現するものであり、国や地域にとっては持続可能な繁栄と市民のウェルビーイングを生み出すものです。
世界の有力企業は、長期的な事業運営におけるリスクと機会を明確にした上で、サーキュラーエコノミーへの移行により新たなマーケットをつくっています。
CIRCULAR ECONOMY JAPAN
代表 中石和良