一般社団法人白馬村観光局主催のもと、株式会社新東通信と株式会社インフォバーンは長野県白馬村で「GREEN WORK HAKUBA」を開催しました。サーキュラーエコノミーをテーマにした本カンファレンスには、国内企業約20社50名が参加。ヨーロッパや国内で活躍する専門家を招きセミナーを実施した他、参加者同士で実践型のワークショップも行いました。
今回は、CIRCULAR ECONOMY JAPANに所属し、このカンファレンスを企画した株式会社新東通信の山下よりイベントのレポートをお届けします。
美しく壮大な北アルプスの山々に囲まれた白馬村は、かつて1998年長野冬季五輪の会場にもなった、ウィンタースポーツが盛んなエリアです。しかし、昨今の気候変動に伴う雪不足が深刻で、冬の観光客は近年大きく減少しています。
そこで春から秋にかけての“グリーンシーズン”においても、マウンテンバイクなど大自然を活かしたアクティビティーが楽しめることや、新たにテレワークの候補地としてのPRにも取り組んでいました。また、村民全体で気候変動の危機と向き合い、2019年12月には白馬村の高校生が機となり「白馬村気候非常事態宣言」を発表しました。
このような背景から、「白馬村はサーキュラーエコノミーの目指す自然保護と経済活動の両立というコンセプトを最も体現できる場所ではないか。」「テレワークとサーキュラーエコノミーを組み合わせることで差別化でき、白馬村の活性に繋がるのではないか。」と考えました。
こうして、“GREEN WORK HAKUBA” が生まれました。
白馬の雄大な景色を一望する白馬岩岳山頂のアウトドアスペースをメイン会場とした本カンファレンスの1,2日目は、専門家によるセミナーを中心に実施しました。Circular Initiatives&Partners代表の安居昭博氏やCIRCULAR ECONOMY JAPAN代表理事の中石和良氏に、サーキュラーエコノミーの現状に加え、ヨーロッパや国内企業の事例を数多く紹介していただきました。また、サーキュラーエコノミーを実践している国内8企業によるピッチも行われました。
「2030年、50年の未来を考えたとき、企業が 、社会 ・ 経済・自然環境 に対して何をしたいのか、何をする役割なのかを考え、行動する」(中石和良氏)
「完成度は100%ではなくてもいい、“Learning by Doing” のマインドでまずはやってみる」(安居昭博氏)
サーキュラーエコノミーの専門家による鋭いメッセージを受け取った2日間を経て、3日目は参加者によるワークショップを実施。サーキュラーエコノミーを自社のビジネスモデルにどう組み込むことができるのか議論し、プレゼンテーションを行う場を用意しました。
参加者の満足度は大変高く、特に異業種の企業間でのサーキュラーエコノミーを軸とした事業展開について話を拡げる機会となったようでした。
「強制的に都市部から離れて、熱い想いのある皆さんと一緒に過ごせたことが良かった。中石さんのレクチャーが素晴らしく、ここから自分がやるべきことをやらねば、と心から思いました。」
「違うバックグラウンドを持つ仲間と同じ目的のためにアイデアを出し合い、一つの結果を出すプロセスがとても楽しかったです。」(参加者アンケートより)
サーキュラーエコノミーの実現には企業間の連携・協力が欠かせません。同じ方向を見て、一緒に歩み出せる仲間をつくることがまずは大切なことだと感じています。私たちにとっても参加者の方々にとっても、今回のカンファレンスが良いきっかけになったのではないでしょうか。
私は、サーキュラーエコノミーへの挑戦を今回のカンファレンスだけで終わらせる気はありません。
サーキュラーエコノミーは、自然環境保護と経済活動を両立させるモデルであり、地球が一つである以上これから間違いなく必然化されていきます。できるだけ早く社会に実装することで、千年後一万年後も、窮屈なく人類の経済活動と地球が共存できる状態になっていてほしいと思います。
その想いを強くいだいているからこそ、自然を活かした産業の街、白馬村でサーキュラーエコノミー実装のお手伝いをさせていただきつつ、さらに日本、そして世界中に広めていく活動をしていきたいと考えています。
最後に、今回の参加者から頂戴したお言葉を締めくくりとさせていただきたいと思います。「5年後に振り返って、GREEN WORK HAKUBAがはじまりだったね」、そう言っていただけるような活動をこれからもし続けたいと思います。
GREEN WORK HAKUBAについての詳細はこちら。
株式会社新東通信
クリエイティブ本部ブランドコンサルタント 山下史哲
fumiaki.yamashita@shinto-tsushin.co.jp